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2026.09.03

神社への奉納金は経費になる? 寄附金の限度額を確認しておきましょう

はじめに

地元の神社の祭礼に寄贈金を包む。社屋の地鎮祭で初穂料を納める。会社として神社やお寺にお金を出す場面は、意外と多いものです。

こうした支出は、税務上「寄附金」として扱われます。そして寄附金には、経費にできる金額に限度が設けられています。全額が経費になると考えて予算を組んでいると、決算のときに想定と違う結果になることがあります。

神社への奉納金は「寄附金」になります

国税庁のタックスアンサーNo.5281には、社会事業団体や政治団体に対する拠金、神社の祭礼等の寄贈金などのように、事業に直接関係のない者に対する金銭による贈与は、原則として寄附金として取り扱う、と記載されています。

寄附金と交際費の違いは、見返りのない一方的な贈与か、取引関係を円滑にするための支出かにあります。神社への奉納金は前者にあたるため、交際費でも広告宣伝費でもなく、寄附金として処理することになります。

寄附金には限度額があります

寄附金は、支出した全額が損金になるわけではありません。一般の寄附金の損金算入限度額は、次の式で計算します。

(資本金等の額 × 当期の月数÷12 × 2.5/1,000 + 所得金額 × 2.5/100)× 1/4

資本金をもとにした金額と、所得をもとにした金額を足して、その4分の1が限度額です。

【計算例】資本金1,000万円・所得500万円の場合

・資本金基準額:1,000万円 × 2.5/1,000 = 25,000円

・所得基準額:500万円 × 2.5/100 = 125,000円

・合計:150,000円

損金算入限度額:150,000円 × 1/4 = 37,500円

この会社が神社に10万円を奉納した場合、経費になるのは37,500円で、残りの62,500円は損金になりません。

会社の規模別に見ると、次のようになります。

会社の規模 損金算入限度額
資本金300万円・所得300万円 約20,600円
資本金1,000万円・所得500万円 37,500円
資本金1,000万円・所得3,000万円 193,750円
資本金5,000万円・所得5,000万円 343,750円

所得が3,000万円あれば10万円は限度額に収まります。同じ金額を奉納しても、会社の規模によって結果が変わります。

持分なし医療法人は、計算式が異なります

医療法人の場合、持分の有無によって計算式が変わります。

持分あり医療法人は出資金があるため、株式会社などと同じ計算式を使います。一方、持分なし医療法人は出資金という科目がないため、資本金基準を使わず、所得金額だけをもとに計算します。

所得金額 × 1.25/100

所得が1,000万円であれば、限度額は125,000円となります。

相手先によっては、全額が経費になります

すべての寄附金に限度額があるわけではありません。次のものは、支出した全額が損金に算入されます。

国または地方公共団体に対する寄附金

公立学校や公立図書館への寄附、被災地の自治体に設置された災害対策本部への義援金などが該当します。

指定寄附金

公益法人等に対する寄附金のうち、財務大臣が指定したものです。日本赤十字社を窓口とする一定の義援金などが該当します。指定の有無は財務省のホームページで確認できます。

このほか、特定公益増進法人(公益社団法人・公益財団法人・学校法人・社会福祉法人など)への寄附金には、一般の寄附金とは別枠の限度額が設けられています。

支出する前に確認を

神社やお寺への奉納金は、地域とのつながりを保つうえで欠かせない支出です。経費にならないからやめる、という性質のものではないでしょう。

ただ、寄附金として処理する以上、限度額を超えた部分は経費になりません。金額が大きくなりそうなときは、事前に確認しておくと決算時に慌てずに済みます。

なお、支出の相手や趣旨によっては交際費に該当する場合もあります。中小企業には年800万円の交際費枠があるため、どちらで処理するかによって経費にできる金額は大きく変わります。判断に迷う支出は、支出の段階で整理しておくことをお勧めします。

まとめ

・神社の祭礼等の寄贈金は、税務上寄附金として扱われる(国税庁タックスアンサーNo.5281)

・一般の寄附金には損金算入限度額があり、全額が経費になるとは限らない

・限度額は(資本金等の額×2.5/1,000+所得金額×2.5/100)× 1/4

・資本金1,000万円・所得500万円の会社なら、限度額は37,500円

持分なし医療法人は資本金基準がなく、所得金額×1.25/100で計算する

・国や地方公共団体への寄附金、財務大臣が指定した指定寄附金は全額損金

・特定公益増進法人への寄附金は別枠の限度額がある

※本コラムは令和8年8月26日現在の法令等に基づいて作成しています。今後の法令改正等により内容が変わる場合があります。

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