コラム
column
2024.06.16

【再確認!】医療機器等の優遇税制について

医療機器の購入や導入に関して、日本政府はさまざまな税制上の優遇措置を提供しています。

これにより、医療機関や関連事業者が最新の技術を導入し、医療の質を向上させることを促進しています。

この記事では、医療機器等の優遇税制について、具体的な制度やその効果を詳しく解説します。

 第1章: 医療機器等に関する優遇税制の背景と目的

  1. 優遇税制の背景

医療機器の進化は急速であり、新しい技術や装置が次々と登場しています。

しかし、それらの機器は高額であることが多く、導入には大きな初期投資が必要です。

特に中小の医療機関にとっては、最新の医療機器を導入することが財政的に困難な場合が少なくありません。

  1. 優遇税制の目的

このような状況を踏まえ、日本政府は医療機器の導入を促進するために、税制上の優遇措置を設けています。

これにより、医療機関が新しい技術を導入しやすくなり、医療の質の向上や患者の安全性の向上を図ることが目的です。

また、医療分野の技術革新を支援することで、日本全体の医療技術の発展にも寄与しています。

第2章: 具体的な優遇税制の内容

  1. 高額医療機器等の特別償却

高額医療機器等の特別償却制度は、医療機関等が令和7年3月31日までに対象資産を取得して事業供用した場合、取得価額の12%を特別償却できる制度です。

この制度は、医療機関等の設備投資を促進し、質の高い医療の提供に資することを目的としています。

【対象資産】

   ・取得価額が500万円以上である医療機器等のうち以下のいずれかに該当するもの

    ① 高度な医療の提供に資するもの(厚生労働省が告示で定める品目)

 ② 薬機法の高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のうち厚生労働省が指定した日から2年以内のもの

対象資産は厚生労働省告示(第248号)に記載されていますので事前に確認しておきましょう。

2.中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制(以下強化税制という)は、中小企業等経営強化法の認定を受けた一定の中小企業者等が経営力向上計画に基づき、令和7年3月31日までに対象設備の取得や製作等をして法人の指定事業の用に供した場合に、即時償却又は取得価額の10%(一定の法人については7%)の税額控除が選択適用できるものです。

【適用対象となる設備】

強化税制の適用対象となる設備には、いくつかの条件があります。

まず、対象設備は一定の技術水準を満たす新しい機械や設備である必要があります。

その他金額等の要件は、以下の通りとなります。

①機械装置:(160万円以上):生産性向上に寄与する機械装置

②器具備品:(30万円以上):テレワーク等電子計算機他生産性向上を図る器具備品

③建物附属設備:(60万円以上):生産等活動の用に直接供される工場等の中に設置される施設(電気設備、給排水設備等)

④ ソフトウェア:(70万円以上)テレビ会議システム他生産性向上を図るための業務用ソフトウエア

ただし対象設備については、医療保険業を行う事業者が取得または製作する医療機器である器具備品、建物附属設備は除かれることになっています。

そのためクリニックで実質的に対象となるのは電子カルテのみでしょう。

この税制を使うにあたっては、経済産業局の確認や経営力向上計画の申請など準備が必要となりますのでご注意下さい。

3.中小企業投資促進税制について

中小企業投資促進税制は、中小企業者等が令和7年3月31日までに対象設備を取得し事業供用した場合には、取得価額の30%の特別償却または取得価額の7%の税額控除を選択適用できる制度です。

【適用対象となる設備】

①機械装置(160万円以上)

②測定工具及び検査工具(120万円以上)

③一定のソフトウエア(70万円以上)複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものは除く

④貨物自動車(車両総重量3.5トン以上)

⑤内航船舶(取得価格の75%が対象)

ただし、医療機器はこの制度の対象とはならないため、こちらも電子カルテ等のソフトウエアでの利用に限れらるかと思います。

申請手続きの流れ

優遇税制の適用を受けるためには、適切な手続きが必要です。

まず、導入する医療機器が優遇税制の対象であることを確認します。

次に、必要な書類を揃えて申告書に添付する必要があります。

この際、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

まとめ

医療機器等の優遇税制は、医療機関が最新の技術を導入しやすくするための重要な手段です。

適切な条件を満たし、正しい手続きを経ることで、優遇税制の恩恵を受けることが可能です。

そのためには、税務の専門家や医療機器の専門家からのアドバイスが重要です。

また、最新の税制改正に対応するためにも、定期的な相談が有効です。

 

 

 

 

 

 

CONTACT

何を相談したら良いのか分からない、または迷っている場合、
お気軽にご相談ください。まずはあなたのお悩みや相談内容をお聞かせください。

電話で相談する
Tel.03-0000-0000
メールで相談する