相続は多くの人にとって避けて通れないテーマです。
適切な対策を行うためには、現状を正確に把握し、計画的に進めることが重要です。
今回は、相続対策において、まずはじめにしておきたい3つの項目について解説します。
財産の全体像の把握
相続対策の第一歩は、財産の全体像を把握することから始まります。
不動産、預金、株式、生命保険、貴金属など、所有する財産の種類と価値を正確に理解することが必要です。
これには、財産のリストアップ、評価額の算出が含まれます。
まずは保有している財産を一覧表にまとめることによって、全体像を把握しやすくなります。
・預金:通帳の残高を記載する。
・不動産:固定資産税評価明細を記載する。
・有価証券や投資信託:証券会社などから送られて来る書類の評価額を記載する。
・生命保険:保険証券や保険内容のお知らせなどの書類から、死亡時にいくら入金されるのかを記載する。
上記のような対応が必要になります。
また、負債の状況も考慮に入れる必要があります。
住宅ローンやその他銀行借入、自社の法人から資金を借りている場合は、債務控除ということで相続税計算上控除できる可能性がありますので、こちらも一覧表に記載します。
相続人の確認と意向の把握
次に、法定相続人の確認と、それぞれの意向を把握することが重要です。
相続人が誰であるかを明確にし、可能であればそれぞれの相続人と話し合い、相続に関する意向を確認します。
これには、相続の分割方法や、特定の財産に対する希望などが含まれます。
ただし、なかなかこういった機会を設けても、相続人の方で意見は言いにくい部分がありますので、まずはご自身の意見を述べることが先決でしょう。
相続人間のコミュニケーションを促進し、紛争の予防に努めることが肝要です。
税務対策の検討
最後に、相続税の計算と税務対策の検討を行います。
相続財産の総額に応じて相続税が課税されるため、税金の負担を適切に評価し、節税対策を考えることが必要です。
生前贈与や信託の利用、不動産の評価額の見直しなど、様々な方法があります。
この部分は、しっかりと専門家と相談しながら、最適な対策を検討しましょう。
このコラムでは、相続対策において特に重要な3つの項目を取り上げました。
相続は複雑で感情的な側面も強いため、早めの準備と適切な対応が必要です。
専門家との協力を得ながら、円滑な相続の実現を目指しましょう。