コラム
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2023.08.07

暦年贈与と相続時精算課税の令和5年度税制改正について

相続対策として広く行われている「生前贈与」。

生前贈与の制度である、暦年課税及び相続時精算課税について、令和5年度の税制改正にて改正が行われました。

今回は、この暦年課税及び相続時精算課税の令和5年度税制改正について解説していきます。

令和5年度改正(1)-暦年課税の見直し-

暦年課税では、相続開始前の贈与を相続財産に加算する措置について、

・加算期間を3年から7年に段階的に延長すること
・その延長4年間に関しては、加算額から100万円を控除する

という見直しが行われました。

令和6年1月1日以後の贈与に係る相続税について適用され、令和9年1月1日以後の相続等から加算期間が順次延長されます。

今回の改正では、「加算対象者」の見直しは行われませんでした。

よって、孫への生前贈与については、その孫が相続又は遺贈によって財産を取得していなければ、相続財産への生前贈与加算の対象とはなりません。

しかし、孫への贈与において、代襲相続・養子縁組・生命保険金の受け取りは加算の対象になりますので注意が必要です。

令和5年度改正(2)-相続時精算課税の見直し-

相続時精算課税について大きく二つの改正がありました。

一つ目は、110万円の基礎控除を創設する見直しで、令和6年1月1日以後の贈与に適用されます。

二つ目は、相続時精算課税を適用して贈与を受けた土地と建物に限定して、相続税の申告期限までの間に災害によって一定の被害を受けた場合には、税務署長の承認を受け、相続財産への加算額を再計算する措置が設けられました。

令和5年以前の相続時精算課税であれば、贈与税の110万円の基礎控除を使うことができず、少額の贈与であっても申告が必要でした。

今回の改正によって、毎年110万円まで課税しないこととなったため、毎年110万円までの贈与であれば、贈与税の申告の必要はなくなりましたが、「相続時精算課税選択届出書」の提出は必須です。

提出をしなかった場合、暦年課税が適用されるため、贈与後の相続の開始時期によっては、生前贈与加算の7年間の贈与として、相続税が課税されるということにもなりかねないので注意が必要です。

今回の改正により、より多くの人が相続時精算課税制度を活用しやすくなるのではないでしょうか?

また、相続対策についてご相談のある方は、クレド税理士にお気軽にお問合せください!!

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