コラム
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2023.07.31

タワーマンション節税の改正について

こんにちは。

今回は、巷でも話題になっている「タワマン節税の改正」について解説していきます。

近年、都市部の人口密集に伴うマンションの増加と相続税の見直しの動きから、マンションの相続税評価額の算定方法が注目されていました。

これまでの算定方法は、建物部分と敷地部分の価額をそれぞれ評価し、その合計をマンションの相続税評価額としていました。

しかし、この方法では、建物の築年数や階数、敷地持分などの要素を反映できておらず、一部で適正でない評価結果が出るとの指摘がありました。

事実、タワーマンションの評価をめぐって、納税者と国税との間で裁判になった事例もあります。

特に富裕層の間では、大きな改正になると注目されている部分です。

タワーマンション節税の見直しの概要

新しい通達案では、マンションの相続税評価額について、「補正率」を利用する可能性を示唆しています。具体的には、マンションの建物部分と敷地利用権部分それぞれの価額に「補正率」を掛けるというものです。

区分所有のマンションの相続時の評価方法としては、通常、

・建物:固定資産税評価額

・土地:路線価

をベースに行われますが、このベースとなる評価方法はそのままであり、時価との乖離が大きい物件について、「補正率」を適用するというものです。

対象となる物件

通達案では、「評価水準」と「評価かい離率」という2つの重要なキーワードを用いています。

・評価水準=1÷評価かい離率

ですが、「評価かい離率」については複雑な算定式が準備されていますので、ここでの詳細の説明は避けます。

この評価水準が、「0.6未満」の物件について、補正率を適用するといった案が出ています。

ちなみにこの「評価かい離率」は、

・建物の築年数

・建物の総階数

・専有部分の所在階

などが計算の対象になるため、タワーマンションの上層階を区分所有している方が対象になりやすいということは明白でしょう。

なかなか複雑な仕組みですが、「評価かい離率」の計算については、将来的に国税庁から計算ソフトが公表される予定とのことです。

対象にならない物件

一方、対象とならない物件の評価基準も通達案では明確に示されています。

通達案の評価は、

「一棟の区分所有建物に存する居住の用に供する専有部分一室に係る区分所有権及び敷地利用権」

が対象となる予定です。

つまり、マンションなどを1棟まるまる保有しているものは対象にならないということです。

逆に、区分所有でマンションの1室などを持たれている方は注意が必要です。

また、

「地階を除く階数が2以下のもの及び居住の用に供する専有部分一室の数が3以下であってその全てを当該区分所有者又はその親族の居住の用に供するもの」

は対象にならないため、低層マンションや部屋数が少ないマンションは対象にならない可能性が上がるといえるでしょう。

 

タワーマンション節税の通達改正の動向については、注目されている方も多いかと思います。

本コラムでも最新情報が出ましたら逐一更新をしていきますので、是非今後とも本コラムをご覧ください。

また、相続税についてご相談がある方は、クレド税理士事務所にお気軽にお問合せください!

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